2200年前に地球の大きさが見積もられた
今のようなハイテクが無い時代、しかも2200年も前に、人類は既に地球は丸いと認識していたそうだ。すごいことである。地球が丸いと言える理由を挙げると次のようである:

4番目と5番目は別として、上から1から3番目はこの頃から指摘されていたようだ。エラトステネスという学者がいる。最初に地球の大きさを見積もった人物とされる。

当時、アレクサンドリアとシエネ(いまのアスワン)は交易が盛んであった。このアレクサンドリアからシエネは真南に5000スタジア離れていた。

スタジアとは今のメートル法が無い時代、この時代の距離を表す単位で、1スタジアは約180mであった。およそ2分間に人が歩く平均距離という。さて、丁度、夏至の日、正午の太陽の光がシエネにある井戸の底に届いていた。これは夏至の日の正午、シエネでは太陽は頭の真上にあった。 このことをよく考えると、井戸の奥、つまり、究極的には地球の中心を続いていると考えられる。なぜこのようなことになったか。それは、シエネは北回帰線にものすごく近い位置にあったからだ。夏至の日の現象として、太陽は北回帰線上を移動する。丁度、正午には真上(90°)に太陽が来る(南中高度が90°)のである。それが夏至の日の正午で厳密には1年に1回そのようなことが起こる。
さて、同じく夏至の日の正午にアレクサンドリアでは、垂直に立てた棒の影の長さから、そのときの太陽は、頭の真上から7.2度の位置にあった。位置関係を整理して作図してみた。

棒の長さ、棒の陰の長さ、アレクサンドリアとシエネ間の距離、地球の半径の間には、なんと比例式が成り立つ。エラトステネスはこの簡単な式から地球の半径を見積もった。幾何学は古代ギリシャに源を持つものであり、こうした洞察や考察は得意でった文化的背景がある。さて、この半径に、2πをかければ地球の円周になる。三角関数は三角法として当時、表などが既にあったようだ。三角法は既に4000年も前にメソポタミア文明で発見されている。2πをかければ地球の円周は求まるが、πという数字を用いなくても円周は求まる。つまり、図中のβを計測で求める。これは南中高度αを90°から引いた角度である。アレクサンドリアではこの角度が7.2°であった。エラトステネスは約46000キロ(単位はメートル法に換算しています)と見積もったことになる。40000万キロに比べて、15%の誤差で求められていたことになる。
みなさんはこの15%の誤差を大きいと考えますか、小さいと考えますか。この15%は、地球が丸いという絶対的な証拠が無かった時代、さらに、棒の陰の長さから求めたという実験原理から考えて、とてつもなく高精度な結果だと思います。
このエラトステネスの方法を用いて、今回、福井市文京3-9-1の文京キャンパスから、地球の大きさを見積もってみます。みんなが簡単に、しかし高精度に棒の陰の長さが測定できる器具の作り方も思案中です。どうやって、日本の福井市から求めるのか工夫をこらして、わかりやすく説明する予定です。どうぞお楽しみに。

4番目と5番目は別として、上から1から3番目はこの頃から指摘されていたようだ。エラトステネスという学者がいる。最初に地球の大きさを見積もった人物とされる。

当時、アレクサンドリアとシエネ(いまのアスワン)は交易が盛んであった。このアレクサンドリアからシエネは真南に5000スタジア離れていた。

スタジアとは今のメートル法が無い時代、この時代の距離を表す単位で、1スタジアは約180mであった。およそ2分間に人が歩く平均距離という。さて、丁度、夏至の日、正午の太陽の光がシエネにある井戸の底に届いていた。これは夏至の日の正午、シエネでは太陽は頭の真上にあった。 このことをよく考えると、井戸の奥、つまり、究極的には地球の中心を続いていると考えられる。なぜこのようなことになったか。それは、シエネは北回帰線にものすごく近い位置にあったからだ。夏至の日の現象として、太陽は北回帰線上を移動する。丁度、正午には真上(90°)に太陽が来る(南中高度が90°)のである。それが夏至の日の正午で厳密には1年に1回そのようなことが起こる。
さて、同じく夏至の日の正午にアレクサンドリアでは、垂直に立てた棒の影の長さから、そのときの太陽は、頭の真上から7.2度の位置にあった。位置関係を整理して作図してみた。

棒の長さ、棒の陰の長さ、アレクサンドリアとシエネ間の距離、地球の半径の間には、なんと比例式が成り立つ。エラトステネスはこの簡単な式から地球の半径を見積もった。幾何学は古代ギリシャに源を持つものであり、こうした洞察や考察は得意でった文化的背景がある。さて、この半径に、2πをかければ地球の円周になる。三角関数は三角法として当時、表などが既にあったようだ。三角法は既に4000年も前にメソポタミア文明で発見されている。2πをかければ地球の円周は求まるが、πという数字を用いなくても円周は求まる。つまり、図中のβを計測で求める。これは南中高度αを90°から引いた角度である。アレクサンドリアではこの角度が7.2°であった。エラトステネスは約46000キロ(単位はメートル法に換算しています)と見積もったことになる。40000万キロに比べて、15%の誤差で求められていたことになる。
みなさんはこの15%の誤差を大きいと考えますか、小さいと考えますか。この15%は、地球が丸いという絶対的な証拠が無かった時代、さらに、棒の陰の長さから求めたという実験原理から考えて、とてつもなく高精度な結果だと思います。
このエラトステネスの方法を用いて、今回、福井市文京3-9-1の文京キャンパスから、地球の大きさを見積もってみます。みんなが簡単に、しかし高精度に棒の陰の長さが測定できる器具の作り方も思案中です。どうやって、日本の福井市から求めるのか工夫をこらして、わかりやすく説明する予定です。どうぞお楽しみに。
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